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雪が降っても積もるほどの量はなく次の日にはほとんど残っていないそういう気候に住んでいる。、
 とは言ってもかなり前までは大きな雪だるまや雪合戦などで遊べるほど降っていた、今は温暖化などの
影響であまり降らなくなっていた。
 そんな町の中に木の生い茂っている一つの山がある。
 そこはさほど高いと言うわけでも低いと言うわけでもなく、普通の高さの山だ。
 そして、殺生、蜜李、洋介と俺の4人は今その山を上っている。
「・・・なぁ。」
 洋介が話しかけて来た。
「ん・・・?」
「なんかオカシイよな・・・ここ・・・」
 洋介はそう言って登りながら辺りを見回す。
「だよな・・・オカシイよな・・・ここ・・・」
 俺も洋介に続いて辺りを見回してみた。
 前方方向木などのある程度の部分を除いて真っ白、右・左もほとんど白、後方俺たちが歩いてきた道
全部真っ白・・・なんだここ・・・。
 辺り一面の雪景色が広がる山を俺たちはちょうど3分の1くらいまで登ったのだろうか、先を見つめると
子供の俺たちにはあまりにも遠すぎる距離の雪道が続いている。
「なんでこんなに雪が積もってんだ??」
 洋介は重たそうに足を前へ運ぶ。
「町は少しも積もってないのに・・・」
 確かにここに入る前、町を通り抜けてきたが雪の結晶の一つも無かった。と言うより最近は全然降っていない。
 そして、この場から町を眺めると・・・やはり降ってさえない。
「どうなってんだ?人口雪?」
 洋介は目の前にある積もった雪に手袋を外した手を突っ込んだ。
「・・・冷たい・・・」
「人口雪だったか?」
「俺実は人口雪見たこともないんだ、良くわからん」
「だろうな」
 会話をしながら黙々と山を登っているが、全然目的の場所が見えない・・・。
「ははは、奏四楼くーん、洋介くーん、早く早く!」
 前方数メートルからやたらとテンションの高い声が聞こえた。
 その声の方を見ると、一人手を振っているのが見えた。
「・・・蜜李の奴、なんであんなに元気なんだ?」
 洋介は疲れきった目で蜜李を見る。
「それは、俺が答えてやろう・・・」
 いきなり俺の横から声が聞こえてきた。
「いきなり出てくんな!つかお前今まで俺たちの前にいたんじゃ・・・?」
「いやいや・・・途中から奏四楼たちの後ろに回り込んだのだよ。」
「なぜに!?」
 こいつの行動がたまに分からなくなるときがある。
 そういう時は、何かしら問題が起きる。
「・・・なぁ、奏・・・?」
 洋介は歩くのが辛そうな顔をしながら俺を呼んだ。
 辛くなるのは無理も無い、何故か分からんがいつもより段々と傾斜面が急になってるからだ。
 それと寒さと雪がかなり積もってる事により、よけい体力が削られている。
 実は俺も辛い・・・。
「どうした洋介?」
「何か聞こえないか?」 
「・・・ん?」
 そういえば何か機械音が・・・モ-ターの回るようなそんな感じだ・・・。
「ん~・・・セツの方から聞こえるんだよなぁ・・・。」
「・・・確かに・・・。ん?・・・ッ!!?」
 殺生の足元を見てみると、普通の靴ではなく何故かスケートの靴を履いていた。
「スケートの靴・・・?」
「えっ?何?スケートの靴が何?・・・ってオイッ!!」 
 スケートの靴だと判断するのに2秒とかからなかった。
 雪の上を刃の付いた靴でスイスイと先を行くその姿を見てスケートと思わない人はいるのだろうか?
「何でスケートッ!?スキーじゃなくてなんでスケートッ!?」
「いや、つかなんで雪の上を滑ってんのッ!?てか、傾斜登ってるしッ!!」 
「マジだッ!!?どうやって登ってんの!?アイツ体動かしてないぞっ!?!」
 そういえばそうだっ!?なにアイツッ!!なにもんだッ? 
「もしかして、さっきの音はセツの靴からじゃ・・・?」
 んなまさか・・・いや、まさか~・・・。
「だとしたらその動力源はどこにあるんだ?」
 俺がそう言うと、しばらく洋介は考え込んだ。
「・・・気合で動くっ!」
「待て!お前までボケるな!!」
 そう言って洋介を見ると、洋介はジッと遠くの方を見つめていた。
「・・・あはは・・・。」
「ど、・・・どうした!?」
 急に不気味な笑いをする洋介に驚いた。なんだその誘惑に負けそうなダラリとした顔は・・・。
「あはは~・・・見ろ、あんなところにモッサモサのふわふわなデッカイ布団が敷いてあるぞ~・・・」
「・・・ッ!!?」
 不味い!!ついに幻覚まで見だしたか!?恐るべし雪山!!とりあえずやる事は一つ!!
「ねるなぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!」
 とりあえず意識を正常に保つには痛みを与えるのが効果的だ、俺は洋介の頬にこん身の力
を込めた右ストレートを打ち込んだ。
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