× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
朝食が終わり自分の部屋でのんびりと漫画を読んでいた。
まぁ、正月とはいえ実はそんなに特別何かをしたいってわけじゃなく 年明けでお年玉をもらうなどして正月を満喫したら、あとは家でゴロゴロ するだけと言うのが俺にとって普通のことだ。というより子供は大抵そんな ものではないのだろうか? とりあえず残りの休みはノンビリする事が一番だ。 「そうちゃ~ん、お友達から電話よ~」 こんな休みの日に友達から電話だと?なんの用だろうか、俺はそれを考えながら部屋を出て 電話の受話器を取る。 「オーッス、生きてる?明けおめ~ぃっ!」 電話の向こうからなんだかテンション高めの友人の声が、俺の脳内にわずかに響いた。 「・・・、生きてるから今電話に出てんだろ?それに言うの遅いな、そろそろ冬休みも明ける ってのに・・・」 俺は、受話器から少しばかり隙間を作り、返事をした。 「いや~なに、言うのめっちゃ遅れたけど?やはり年明けて最初の挨拶と言ったらそりゃぁ 明けおめしかありやしやせんか?」 「俺に聞くな」 「まぁまぁ・・・そうかっかせずにいられるかってんだ!」 「お前がキレんなよっ」 今俺が電話している相手の名は、西田 洋介(にしだ ようすけ)俺のクラスメイトで親友だ。 こいつと朝会うときは大体はアイツがボケて俺がツッコミを加えるという典型的な漫才から始まる。 「んで、なにか用があるんだろ?」 「おう、遊ぼうぜっ!!」 「いいけど、どこで?」 「場所はまだ決まってないけど人数は揃った。」 「そうか、とりあえずそっち行くぞ?」 「いや~、もうお前んちのドアの前にいるんだけど・・・」 「・・・はいっ!?・・・ッ?」 受話器を置き,家のドアを開けた。 「おい~すっ!」 「・・・家の前まで来てなぜ電話なんだ?」 「いや~・・・、ドッキリサプラァイズッ!?」 背が俺と同じぐらいの友人が、手をグーにした状態から親指だけを立てるあのオフコースやYESと 返事するときに用いられたりする良くある手の形(俺らの中ではグットポーズ(手だけ)と呼ぶ)を 前に突き出し、フッと笑ってハイテンションでそう言った。 にしても英語の発音がやけに上手いな・・・。 「・・・んで、ドッキリのためにこれをやったと・・・。」 「これはほんの前菜に過ぎんよ、遊びはこれからだ。」 「遊びに前菜も何もあるかっ」 「あ、前菜・仲裁・後夜祭♪」 「全部接点がねぇよっ!!」 さっきからボケをかましてる奴の名は、生花 刹生(せいか せっしょう)同じくクラスメートで 親友だ。だが、親友なのだが大抵コイツの行動が読めない。いや親友でも行動が読めないことは必ず あるが、こいつの場合特別に何考えてるのかわからない・・・一つ言えることはボケをかます方、 そんな奴だ。 「やっほう、遊びに来たよ?」 「おう、お年玉はちゃんと貰えたか?」 「もうバッチリだよう~」 こいつの名は菅野 蜜李(すがの みつり)同じくクラスメート。 通常はまともな会話をするが、空気の流れによってはボケに転じて 突っ込みの俺の体力を削る遊撃手だ。 「・・・ん?俊矢の奴は?」 俊也とは、同じくクラスメートでフルネームは、和田 俊矢(わだ としや)という。 「さっき呼びに行ったんだけど家族でおとといから出かけてるって言ってたよ?」 「そうか、まぁ正月だしな」 「にしても、何して遊ぶ?」 何して遊ぶ?といわれてもなぁ・・・サッカーじゃ人数たんねぇし羽根突きじゃあ・・・なんかなぁ・・・ 「さすがに羽根突きは人数が多すぎだな・・・。」 刹生が考える人のポーズを取りながらそう答えた。 俺と同じ意見だな・・・、それにしても何するかなぁ・・・。 「何も思いつかないとな?」 ・・・何も無いな・・・というか外じゃなくても良いんじゃないか? 「それもそうだな・・・室内で出来る遊びで良いと思えるが・・・」 ・・・だよなぁ、だとするとゲームかな?ちょうどコントローラーが4つあったから・・・。 「それでは普段やっているのと変わらないのでは?ここは正月に遊ぶようなもののほうが 盛り上がるのではなかろうか?」 なるほど、普段やらない分盛り上がりやすいと・・・なら百人一首とか・・・アレ?さっきから俺の 心の声と刹生で会話になってないか?まさか気づかないうちに俺が声に出しているのでは?いや、口は 閉じてることは確認済みだ。 考えてることが口から漏れる心配はなかったハズ・・・。 やはりコイツ 俺の心の声が聞こえるのか?・・・なわけないか・・・ぐうぜんだな・・・。 「奏四楼がなにも言わんから洋介と蜜李が何をするか話し合ってるではないか、一つ提案をしてやれ」 そう言って刹生は、俺の肩と軽く叩いた。 そうは言っても・・・。 「なぁに、さっきの案でも大丈夫だろ・・・まぁカルタの方が簡単だと思うが・・・」 そうかなぁ・・・ 「って、やはりお前、俺の心の声聞こえてんじゃ!!」 「・・・。」 刹生はほんの数秒真顔で俺をジッと見たまま黙っていたが、急に不気味な笑みを浮かべた。 その笑みは、何もかも知っているようでこれから何をするのか解らなく、しかしその何かを 絶対実行するのが解る、確実に嫌な展開になる気がしてならない、そのような考えを起こさせる どす黒いものをまとった不気味な笑みだった。 「こわっ!!」 「どうしたの、奏四楼君?」 「いや・・・なんでもないよ・・・ハハハ・・・」 多分・・・アレのこと言ったら馬鹿にされんだろうな・・・。 「それで、何をすんのか決まったのか?奏」 「いやまぁ・・・とりあえず家でゲームとか・・・、それかカルタとかどうだろう?」 「うーむ、なかなか良い提案だなゲームは・・・」 「ゲームだけなの?カルタもいい提案だと思うよ?」 「そうか?まぁ、あと2人ぐらいいたらカルタも楽しくなるだろうけど・・・」 なかなか話が先に進まねぇ・・・とりあえず中に入れるか・・・ 「とりあえず家に・・・」 「ゲームでは普段やってる事と変わらないのでは?」 殺生が俺の話が2人に聞こえないような、かつ近所迷惑にならない絶妙な大きさの声で 二つのうちの片方の提案を指摘した。 「ん~、確かにそうだよなぁ・・・」 ゲームの案が今却下されようとしている。 盛り上がるだろうけど冬休みぐらい思い出に残る事が無いとな・・・ 「そして、カルタでは人数が少なすぎて盛り上がりに欠けるといった点も否めない、それに 他に人を呼ぶにも俺らが知っている友達全員が、旅行に行っていて夜まで帰って来れない、 やはり4人では人数が少なすぎると思われる。」 「う~・・・」 蜜李は殺生の指摘を認めたのだろうがやはりやりたいのだろう、弱々しい声で唸っている。 にしても他の奴等が全員旅行中だったこと良く知ってるな・・・。・・・あれ? ゲームはともかくカルタはアイツも良いと言ってたはずなのに俺の案が否定された・・・あれ? 「では、他にも意見を聞いてみるのも良いな・・・蜜李は何か案はあるか?」 殺生は、顔だけを蜜李に向けた。つか、コイツが仕切ってるし・・・まぁいいか・・・。 「ん~・・・雪合戦とか?」 「雪合戦か~、いいと思うけどココら辺じゃ雪なんか降ってないよ?」 洋介は、そう言うと点々と小さな雲が流れてゆく晴れた青い空を見上げた。 「そうなんだよね~、雪が積もってると楽しいんだけど・・・。」 しばらく、3人(俺除く)は少しの間黙り込んでいた。 「じゃあ、俺の案を・・・」 「雪なら、たくさん積もってる場所を知ってるが、そこに行くか?」 「あれ、俺無視ですか?」 「そんな所あるの?」 「ミッちゃんも無視?」 急に洋介を2人は無視し始めた。 そして、いつの間にか3人の右手に動物のパペっトをつけて それを動かしながら喋っていた。 いつの間に・・・・。 「無視ですか?」 何故か無視されている洋介のパペットは犬と狼の中間?っぽいもの。 「行ってみたいなぁ・・・そこ」 普段は人を無視するような奴ではないのだが、何故か今は洋介を無視している蜜李のパペットは猫のような トラのようなどっちかわかりにくい動物。 「そして、殺生(自分)が持っているものは何でしょう?」 「ん~・・・、ってまた心読んだなッ!?」 「いや~つい癖で・・・」 殺生はニヤニヤと笑みながら嬉しそうにそう言った。 「いつもやってんのかよッ!!?」 そうツッコミを入れた後、俺は何かに違和感を感じた。 2人にクラべ何かが圧倒的に違うのだ。 答えはすぐに解った。 2人のパペットに比べ殺生のはやたらとデカイ、もはやパペットでは・・・、・・・!!! 「獅子舞かよッ!!!」 殺生の右手の獅子舞は洋介の頭に噛み付いていた。にしてもどこにそんなものを隠してたんだ? 「なぜ無視されてんだ・・・」 いやいやいやっ、噛まれてるよ、お前噛まれてる! 「あ、殺生君のそのパペット大きいね?」 いやいやいや、獅子舞だってっ! 「まぁな、神社に落ちてたんだがな。」 絶対そんなもん落ちてねえっ! 「重すぎて交番に届けられなくてな」 今もってんじゃんっ!使いこなしてんじゃんっ! 「それ、どこかに売ってんのか?」 洋介がもの欲しそうに獅子舞に噛まれている。 「うむ、コンビニに売って」 「ねーよっ!!売ってねーよっ!!」 殺生の嘘っぱちについツッコミを入れてしまった。 「・・・売ってないんだ・・・コンビニに・・・」 蜜李は残念そうな顔をする。いやいやいや、結構幅とるぞ獅子舞は・・・。 「さて、それはそうと本題に入るか・・・。」 「そうだね、え~と・・・確か殺生君の行きつけの店だっけ?」 「ちっがーーう!雪の積もってる場所だろ?」 「うむ、あの店のオリジナルのカクテルは格別だった。」 「よりによってバーですかっ!?」 なにやら変な方向に進みそうな予感がした。 とりあえず本題の場所に行くように 仕向けなければ・・・。 「と、とりあえずその「雪の積もってる場所」に行かないか?」 「そうだよな、いや~早く雪合戦がしてえなぁ」 よし、洋介が乗ってきた。 「そうだよねぇ、ここで話してても近所の迷惑だもんね。」 蜜李も乗ってきた・・・とりあえずこいつ等が変な方向に突っ走らないようにしないと 俺の体力がもたない・・・。 「じゃぁとりあえずお前等、そのパペットをしまったらどうだ?」 またパペットでネタをやられても困るからな、にしてもどっから取り出したんだ? 洋介は、自分の頭に噛み付いている獅子舞の口から「よっこらせ」と声を出しながら 頭を離した。頭が離れたと同時に獅子舞の口が勢い良く閉じ、まるで刀同士がぶつかった ような音が短く響いた。それとともに洋介の髪の先っぽが獅子舞の歯と歯に鋏まれ綺麗に かつ瞬間的に切られていた。 「・・・・っ!?????」 洋介は一瞬のことに驚きを隠せないでいた。 「う~ん、ポケットに入らないよぅ・・・。」 蜜李はそう言いながらパペットの口をパクパクさせる。どうやら今のは見ていなかった ようだ。・・・でも音は聞こえたはずでは? 「ならば、この獅子舞の口に入れるが良い。」 殺生は獅子舞の口でカチンッカチンッ!とやたらと頭に残る金属音を奏でながらそう言った。 「いいの?ありがとう!」 待て、そんな所に入れたら下手すりゃなんだか怪しい獅子舞の餌食になるぞ!!パペットどころか 蜜李の腕も持って行かれるかもしれん!! 「じゃあ少しの間ヨロシク!」 蜜李はそう言って、軽く獅子舞の口の中にパペットを押し込んだ。 なんとも無いな、というか無事だな。 「んじゃ、次は俺だ。」 そう言って洋介はパペットを獅子舞の口の中に手ごと入れる。 その時、獅子舞の口がガタガタと激しく震え始めた。 「・・・・ん?」 洋介が獅子舞の口から手を抜いた時、獅子舞の口が勢い良く閉まり近所中に金属音が鳴り響いた。 「危なっ!!」 洋介はしばらく獅子舞を見つめていた。 多分獅子舞を見てなければ、自分が噛まれると思ってんだろうな・・・。 洋介がジッと獅子舞を見つめていると、獅子舞の口がスッと開き、その口の中から「うえっぷ!」 と声が聞こえた。 ってもしや・・・ 「「ゲップしたっ!?」」 洋介と同時に同じセリフで思わずツッコミを入れてしまった。 PR ![]() ![]() |
カレンダー
フリーエリア
最新記事
(07/08)
(07/06)
(07/01)
(06/24)
(06/08)
最新TB
プロフィール
HN:
鷹の爪の皮
年齢:
36
性別:
男性
誕生日:
1989/09/23
職業:
未定
趣味:
ゲーム、アニメ
ブログ内検索
最古記事
(12/05)
(12/12)
(12/20)
(12/25)
(12/26)
カウンター
解析
|