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1月某日、雪・・・
冬休みでしかも正月に入ったばかりで 親戚などの大人にお年玉という名の軍資金 をもらいすっかり舞い上がっている。 何を買おうか、明日は何をしてようか・・・ 寝る前にそれを考えながらお年玉を枕の下に 隠す、毎年こうやって次の日までお年玉を守りながら 眠りにつくのだ。 ---翌日ーーー 朝起きると、枕の下にあるはずだった軍資金 が無くなっている。 そういう時は、決まって母親が持って行っている。 寝床から起き上がってすぐに部屋から飛び出し 起きた頃にはだいたいは台所にいる母親の所まで 小走りする。 「枕の下に隠してあったやつは?」 朝に親に会った後の第1声がそれだ。 「おはよう,(外国人のようにピストルを隠すところの) 枕の下にあったお年玉ならちゃんと保管してるから大丈夫よ?」 台所で朝ご飯を用意している母親は、こっちを向き ニッコリとして「顔洗ってらっしゃい」と言った。 「また、俺が気づかないように取ったのか・・・オヤジが・・」 と言うか( )の説明は要らんぞ と言いながらしぶしぶ と洗面所に向かう。 洗面所に入ると背の高い男が洗面台を独占して顔を洗っていた。 「・・・。」 俺は無言でその男の後ろに立って,洗面所が空くのを待つのと同時に 威圧感を与える。 少し恨みを込めてその男を睨みつけていると、男は顔を洗うのを止め 愛用のタオルで顔を拭く。 「おう、2番目の息子よ~オハヨウサン♪軍資金、なんに使うか決まったかい?」 タオルを肩にかけながら、俺の背中を(俺の顔を掴める位の)デカイ手で 軽く何回も叩きながら笑っているやたら背の高いその男は、俺の親父だ。 「決まってないのか、まぁ慎重に考える事だなっ・・・。」 ゲラゲラと笑いながら親父は洗面所を出て行った。 「朝からテンション高いなぁ・・・」 親父の背中に枕の下の軍資金を取られた恨みを少し乗せて視線を尖らせた。 洗顔を済ませダイニングルームに行くと親父が朝食を摂っているところだった。 「そうちゃん、ご飯とご飯どっちがいい?」 「選択肢はいらないよねそれ・・・?」 母親のボケをツッコミながら椅子に腰掛ける。 ご飯と味噌汁以外のオカズ類はすでに出来てて、作って間もない目玉焼きとおせちの余り がキチッと並べられていた。 「今日の予定は決まったの?」 よそったご飯と味噌汁を目の前に置きながら母親は、そう聞いてきた。 「今のところは無いけど・・・?」 いただきます・・・と言ってご飯から箸をつける。 「じゃぁ今日ものんびりね~・・・」 母親は台所に戻りもう一つづつ椀を装った。 「・・・う~っす・・・」 眠そうな声を出しながら俺の隣に腰掛けた優男は、頭をポリポリ掻いていた。 「おう、初代息子よ!」 「初代って何だよッ!!」 眠そうにしている優男の変わりに俺がツッコミを入れた。 「ジ○ダイの息子よ!」 「ジ○ダイ言うな!!」 親子漫才している横で、眠そうにしながら黙々と朝食を食べているこの優男は 俺の5つ年上の兄だ。 冬休み中、余り休み無しでバイトをしている。 今日もバイトの日だそうだ。 「2番目の息子よ、お前は解ってないな・・・」 「何がだよ・・・」 親父はニヤリと不気味の悪い笑みを浮かべる。 「・・・ん?」 その笑みの意味の解らなさと不気味さが俺の脳内を漂う。 「お前は今、この場で大切な物を失っていることぉに・・・気づいていな~~い!」 ふははははは と高笑いをする親父は、箸をカチカチと音を鳴らした。 それを見てふと自分のテリトリーのオカズとまだ手のつけていない母親のオカズを 見比べてみた。 「目玉焼き・・・カマボコ・・・栗金団・・・昆布巻き・・・」 順番に見ていくと一つだけ俺には無いものがあった。 元から無いと言うわけでなく器だけ置いてあって、それを食べた形跡がはっきりと 残っていた。 「栗・・・きん・・・とん・・・」 俺の好きな食べ物だ。 「ようやく気が付いたようだな」 「息子の飯を奪う親がいるか!!」 親父に少しの殺気と恨みを混ぜ合わせた黒い何かを目で訴える。 「残念ながらそれを食べたのは俺じゃあ、ア~リマセ~~ン」 さっきから親父の言動が可笑しいが、昔から変なのであしからず。 「お前以外に誰が俺のを食うってんだよ・・・」 俺は苛立たせながら他のオカズにも手をつける。 すると、親父は急に真顔になった。 「・・・・っ!?」 親父が急にそんな顔をするから俺は思わずその顔をジッと見てしまった。 ・・・そういえば、こいつヒゲ剃ってんのか? 余りにも親父が動かないからとりあえず呼んでみようとした、その時だった。 親父の口が突然ニッとさっきよりも影のある気味の悪い笑みを見せた。 「・・・ッ!!!??」 また何か盗ったのではないかと自分のテリトリーをサッと見回したら、やはり もう一品盗られていた。 「カマ・・・ボコ・・・」 それも好物の一つだ。 しかし、親父の奴どうやって俺のカマボコを・・・・? 奴は微動だにしてなかったのに・・・。 そういえば、兄貴の奴さっきからずっと食ってるけどおかわりとかしてんのか? 「・・・・・」 少し気になって兄貴の方を見ると、兄貴の飯はすでに食べ終わったあとだった。 だが兄貴の手はまったく止まっていなかった。 兄貴の手は俺のテリトリー内の昆布巻き・・・に・・・・。 「・・・って、お前かよっ!!?」 俺が自分のテリトリーの昆布巻きに近づく兄貴の魔の手をはたくが、兄貴はそれを ものともせず確実に昆布巻きに箸を伸ばしている。 「それは俺のだぁぁぁぁああああ!!!」 俺は昆布巻きを取られまいと必死にそう叫んで、迷わず兄貴の頬に掌底を入れた。 PR こんばんは、鷹の爪の皮です。 あけましておめでとうございます、鷹の爪の皮です。 突然ですが、小説を書いてみようと思います! |
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